字形字体

自転車置場の「場」

自転車置場の「場」。これはまた、珍しい略しかた。よく見ると、「置」の十文字のところが斜め画になってるのも素敵。

雨冠への思い入れ

以前、電気・電機業界の雨冠は「両」の形が多いと書いたことがあったのですが。→「『電』の雨冠」 電気関連で「両」以外の略字を見つけました。「山永電気商会」さんです。なにかしら思い入れがあるのでしょうか。下に書かれている「濱坂電気」さんは「濱(…

朝日新聞の「新」

朝日新聞の「新」はちょっと変わった形。左下の「木」の部分の横画が一本多い。朝日新聞以外では、なかなかお目にかかれない。 なかなかお目にかかれない、と思っていたのですが、たまたま通りかかった路地で、「日本商業新聞」の看板が……。 朝日新聞の「新…

すくすく育つ「五」

当時小学五年生だった娘が買った雑誌に載ってたネタ。こういう妙な形の「五」が、雑誌の表紙として正々堂々(?)と使われていたとのことです。知りませんでした。文字の道、奥深し。 これが 85 年前の『小五』だ! 「五」の文字の 1 画目がないことに注目!…

はしご文化祭

一年前に仕事で通りかかった駅で見つけた文化祭のポスター。「はしご高」です。まあ、「はしご高」くらいはそんなにめずらしくもないので、そのまま通り過ぎそうになったのだけど……。 よく見ると、「第五十一回」の「回」の字が、「はしご回」*1になってます…

上向きの「上」

上野警察署の作った看板。やや古めです。 上野の「上」の字の横画が、上を向いてます。昔は、バランスをとるために、やや上向きに作ることが多かったようですが、最近はほとんどみかけません。*1 「止」や「点」なども、上を向いています。一字一画を大切に…

「×」から「メ」へ

随分昔の写真です。すっかり忘れてました。阪急電鉄の IC カード定期券+クレジットカードの「HANA PLUS」が出始めたばかりのころの、ポスターの写真です*1。「田」の字の中身が、かなり明確に「メ」になってます。参照→「梅田の『田』」以前は、 「どうして…

接着剤と糊

「東京接着剤工業協同組合」の建物。 「着」の字の拡大。ちょっと普通と違う。 同じ建物が、「全国糊工業連合会事務所」でもあるみたい。 今度は「連」の字。之繞(しんにょう)が、微妙に普通と違う。今の之繞(しんにょう)と比べると「微妙に違う」程度だ…

案外楽しいかもしれないビル文字の世界

今日はビル文字の話です。どんどん行きます。 「石井ビル」。「石」の左上のあたりがなんとなく「后」っぽくて、個性的。 「澤田ビル」。「澤」の上のほう、「目」が横向きになった部分が、「四」になってる。めずらしい。 「オガミビル」。どうにも「ミ」に…

「安」→「あ」

JAPEC の会長の安西愛子会長、達筆です。「安」が、まるで平仮名の「あ」のようです。「平仮名って、漢字から生まれたのだなあ」と実感する瞬間です。 …という基礎知識を得たところで、安倍川もちです。「あ」が、ほとんど平仮名です。 値札が、……これは完璧…

横三本の「来」

トイレに達筆の張り紙。「来た時よりも美しく!」とあります。 よく見ると、「来」の字が、横三本になっています。「これって誤字では? こんな達筆でも誤字があるの?」と思ったのですが、行書だからこんなもんなのかなあと、納得したような、納得しないよ…

新字と旧字(正字)の混ぜ書き

「点心」部分は旧字(正字)で、「點心」なのに、「焼売」部分は、新字のまま。「點心」が読める人なら、「燒賣」も読めると思うのですが、どうなんでしょう。やはりいろいろあるのでしょうか?(「いろいろ」ってなに?)古い字体が使われ続けるのは、嬉し…

風月堂の「風」

お菓子の缶の中に、風月堂の由来が書かれた紙を発見。これを読む限り、松平定信公からいただいた屋号は普通の「風」の字で、それを市川米庵が書いたときに(揮亳したときに)内側が百の「風」になったみたい。気になって検索してみたら、「風月堂社史本文―江…

字形字体と書体

「秋」について調べていて、いつのまにか自分が、字形字体に対して画一的な見方を持ってしまっていることに気づいた。「字形字体は、書体(篆書・隷書・楷書など)と関連付けて考えるべきだ」というもの。 たとえば「秋」がそうなんだけど(「『秋』の右左」…

「秋」の右左

7/11 の日記「裏返し千秋?」の「秋」の左右が(偏と旁が)逆になっている件について、ちょっと調べてきました。 画像は「書体字典」(赤井清美編、東京堂出版)からの引用です(クリックで大きい画像)。大雑把に書体で分類されています。篆書(あるいはそ…

裏返し千秋?

※ 7/14 追記。「日本語練習中」の 7/12 のエントリーを読ませていただき、納得しました。ありがとうございます。「秋」の本字とのでした。そう言われてみれば、「略」や「裏」など、配置の入れ替わった異体字って他にも結構あったように思います。後でちゃん…

なぜだか「弁」

道端によくあるマンホールの類の金属の蓋で、仕切弁の「弁」が妙に古い字体になってるのを発見。 ちょっと探してみると、制水弁の「弁」も……。 空気弁は、ゴシック体だけど、やはり古い字体の「弁」で書かれています。どうせ古い字体を大切にするのなら、略…

鍋蓋(なべぶた)の「気」

図書館にあった古い雑誌から。気の上部が、いわゆる「鍋蓋(なべぶた)」になってます。最近は、もうほとんど見かけません。鍋蓋(なべぶた)になったからといって、別の字と間違われたりすることはないので、実用上は何の問題もないはずです。昔はこういう…

「止まれ」の「れ」

大阪の「止まれ」です。当面の問題は「れ」。良く見ると、逆さにしても「れ」と読めそうです。実は、普通のゴシック体では見かけない形で、どうしてこういう形になったのか不思議。大阪、兵庫あたりは、ほぼ確実にこの形。公道に限らず、デパートの駐車場や…

「電」の雨冠

雨冠の略字を見かけることは少ないと思う。点々が縦につながり、しばしば上に飛び出すような形が一般的。 ただし、「電」だけは別。雨冠を「両」の形に略しているのを、よく見かける。 このあたりも、「両」とみなしてよいと思う。「雨」よりは「両」に近い…

本高砂屋の「高」と「屋」

お菓子屋さんのロゴより。本高砂屋に限らず、はしご高を含む固有名詞は多くあります。おそらく、多くの人は、「あの会社は『はしご高』」、「あの人は『はしご高』」と、はしご高と普通の高を、一生懸命書き分けているのではないかと思います。でも良く見る…

書体の情報量?

阪神電鉄バスの車体側面の「鉄」。金偏の点が横向きになってる。「揺れ」の範囲内だと思うけど、横向きだと、なんだか「卸」みたいで違和感がある。 こちらは阪急電鉄の駅で見かけた「鉄」。筆書き。やはり点が横向きになってるけど、こちらは違和感が少ない…

「電」?

マンホールの蓋の真ん中に、こんな字(ロゴ?)がありました。最初は確かに「電」と読めたのに、見れば見るほど自信がなくなっていきます。私だけでしょうか。

デザイン文字

デザイン文字は、いかにうまく省略するかが勝負だと思われます。 とあるメーカーのロゴ。よく見ると、「松」の木偏とか「電」とか、かなり豪快なことになっています。それでも普通に読めるのですから、見事な省略です。 とある情報誌の題字より。「情」の偏…

「上」はどこからきたか

舩木直人さんの「はてなの茶碗」の「上級品」で、変わった字形の「上」が紹介されています。 この「上」はたまに見掛けるけど、一體どこからきた字形なのだらう。 私も不思議に思っていました。以前撮った写真(とある素麺のパッケージ)を掘り返してみたと…

運送会社の文字の傾向

以前、洗濯洗剤について書いたことがあるのですが(→「洗濯洗剤の名称と書体」)、それぞれの業界ごとに、それぞれの個性があります。運送会社の業界だと、古い書体、古い字体が好まれるようです。 以前、別のネタ(→「之繞(しんにょう)の道」)でも使った…

「ぎざ工」について、説文解字を確認

これまでの経緯。 ぎざぎざの「工」 最近あまり見かけなくなった「ぎざ工」、漢和辞典にも載っていないので、わりといい加減な俗字と思っていた。 でも真面目に調べてみたら、正式な場面でも使われる、由緒正しい字形であることがわかった。 どうして伝統的…

閉まってしまう

「閉門」の中身(?)が「〆」になっていました。なんだか〆切りが迫っているような雰囲気で、緊迫感のある「閉門」です。

之繞(しんにょう)の道

駅から会社まで、いつものように歩いていると、マンホールの類の鉄の蓋に、三点の之繞(しんにょう)を見つけました。 さらに行くと、同様の鉄の蓋で、二点之繞(しんにょう)を発見。 さらに一点之繞(しんにょう)も。なんだか之繞(しんにょう)の歴史を…

どんどん薄くなる「一」

知る人ぞ知る老舗旅館「俵屋」の通販パンフレットにて。少々ピンボケで申し訳ないのですが、一円の携帯電話ではこれが限界……。 「一つ一つ……」とありますが、漢数字「一」の薄いこと薄いこと。句読点よりも薄いのではないかと思われます。 こちらは「唯一天…