全智全能、新監督

巨人の新監督、原さんのニュースを見るともなく見ていたら、なにやら妙な響きの日本語があったような、なかったような……。


今朝の新聞で確認してみると、確かにありました。朝日新聞の「ひと」欄から引用(毎度写真が荒くてすいません)。

「監督として全身全霊、全知全能をかけまして、戦い抜いていきたい」

「全知全能」って、そんな意味でしたっけ。大辞林第二版の「全知全能」から引用。

ぜんち-ぜんのう【全知全能】
あらゆることを知り尽くし、どんなことでも行える能力。完全無欠の知能。「―の神」

原監督は、ご自身のことを、全智全能の神のごとく祭り上げているのでしょうか? やっぱり、ちょっと違うような気がします。

でも、新聞社の校正をくぐり抜けてきたということは、実はそれなり(?)に正しいに違いありません。さらに他の辞書も調べてみると、新明解国語辞典で、目指す意味に到達しました。

【全知全能】
1 何でも知っており、何でも出来ること。
用例・作例
―の神
2 その人の持っている、すべての力。
用例・作例
―を傾ける

原監督は、後者の意味で使ったのだと思われます。それなら、なるほど確かに正しい用法です。

が……、それでもやっぱり違和感が残ります。自分自身に対して全智全能なんていう誇らしげな言葉を使うものなのでしょうか。

気になって仕方がないのですが、私は全智全能ではないし、この件に全智全能を傾けるつもりもないので、このあたりで逃げ出そうと思います。すすっ。