「ぎざ工」について、説文解字を確認

これまでの経緯。

  • ぎざぎざの「工」
    • 最近あまり見かけなくなった「ぎざ工」、漢和辞典にも載っていないので、わりといい加減な俗字と思っていた。
    • でも真面目に調べてみたら、正式な場面でも使われる、由緒正しい字形であることがわかった。
    • どうして伝統的な字形であるところの「ぎざ工」が、漢和辞典に掲載されないのだろうか(俗字扱いなのだろうか)。
    • ここはひとつ、最古の漢字字典とされる「説文解字」をあたりたいところだが、さすがに街の図書館にはなかった……。
  • 喫茶店の「ぎざ工(紅)」
    • これは本筋とは無関係。

最古の漢字字典と考えられている「説文解字」が、まさかウェブ上にあるとは知りませんでした。早速「ぎざ工」について確認。巻第一にありました(フィールドに「41」と入力し Enter で表示されると思います)。


残念ながら(?)、説文解字には「ぎざ工」に関する記述はありません。説文解字は、本質的には「古文経典」を解読するための字典なので、古文経典に含まれない字形は掲載されていないのだと思われます。

つまり、「ぎざ工」は、古文経典には含まれていなかったのだと予想されます。

ここで問題になるのは、説文解字というのが、どうやら非常に偉大な字典であるらしい、という点です。説文解字以降の漢字字典はすべて、なんらかの形で説文解字の影響下にあると思われます。

ということは、もしかすると、説文解字に載らなかった字形は、それ以降の字典にも載ってないかも……。もしかすると、説文解字に載らなかったのが運の尽き?

行きがかり上、「字彙」や「正字通」、「康煕字典」なんかも調べてみたくなりました。もちろん、街の図書館には置かれていませんが……。