カップヌードルの「ド」

カップヌードルの「ド」が小さいという話は、ウェブ上で語られていて、既にご存知のかたも多いと思います(私は職場で教えてもらうまで知りませんでした……)。「ヌード」と誤読されないために、「ド」を小さくしたとのことです。

「なるほど」と思ったのですが、かすかに都市伝説の匂いがします(疑い深くてすいません)。

あちこち(Web を)探し回った結果、それなりに信用できそうな情報ソースとして、以下の 2 つの本にたどり着きました。

ひとつめは「デザインの煎じ薬・全十三包―じわじわとデザインのことがわかる本」。とあるサイトで、具体的な文章も見つかりました。SukimaWindows 5th 過去ログから孫引き。

例えば日清「カップヌードル」のパッケージデザインで「ド」だけ少し小さめに表示されていることに気づいていましたか? 発売当初は「ヌードル」という単語が定着していなかったために、「ヌード」と見違えないように、という配慮からそうなったそうです。

「……なったそうです」と、断言を避けています。この作者は、真偽のほどを直接確認したわけではなさそうです。

ふたつめは、「メイド・イン・ジャパンの時代―昭和のデザイン プロダクト編」。こちらの文章も、とある学校のサイトで見つかりました。02 総合問題より孫引き。

発売当時は、「ヌードル」という言葉があまり認知されていなかった。そこで、「ヌード」と発音されるのを避けるために、デザイナーの大高猛は「ド」だけが小さいロゴを提案したのだった。

こちらの作者は「提案したのだった」と断言しています。が、「発売当時は、……」と振り返っているところからもわかるように、かなり古い時代のことを掘り起こして書いているようです。具体的には、カップヌードルの発売が 1971 年、この本が出版されたのが 1996 年なので、25 年も経過しています。信憑性としては、微妙なところだと思われます。

信頼できる情報ソースが少なすぎるので、本当に「ヌード」のせいなのかどうかは、判断を保留したいと思います。