雨冠への思い入れ

以前、電気・電機業界の雨冠は「両」の形が多いと書いたことがあったのですが。

→「『電』の雨冠


電気関連で「両」以外の略字を見つけました。「山永電気商会」さんです。なにかしら思い入れがあるのでしょうか。

下に書かれている「濱坂電気」さんは「濱(浜)」の字に思い入れがあるみたいですが、「電」は普通でよいみたいです。

字の使いかたには、人それぞれの「思い入れ」があるのだと、最近は思うようになりました。こういう「思い入れ」を表現できるのも、漢字の魅力かと思ったり(逆に弱みになったりすることもあるわけですが……)。


雨冠の点々が八の字になるのは珍しいことじゃないみたいで、ときどき見かけます。個人的には、わりと好きな形です。

朝日新聞の「新」


朝日新聞の「新」はちょっと変わった形。左下の「木」の部分の横画が一本多い。朝日新聞以外では、なかなかお目にかかれない。


なかなかお目にかかれない、と思っていたのですが、たまたま通りかかった路地で、「日本商業新聞」の看板が……。


朝日新聞の「新」でした。

探してると出会えるものですね。

片仮名の使いかた


ひとつめの片仮名は、ちょっと洒落たブランドのランドセルの広告から。


「紺色」ではなく、片仮名で「コン」。


もうひとつの片仮名は、カレンダーのコラムから。*1

「イッキ」でも「一気」でもなく、「イッ気」と混ぜ書き。

こういった柔軟な(?)ところも、日本語の特徴なのかも。

*1:写真でご覧のとおり、まだ 2007 年のネタです。ボチボチいかせていただきます。

魚偏に魚

魚魚(とと)」の続報です。

mandel59 さんからトラックバックいただきました→「魚魚」。情報ありがとうございます!(反応遅くてすみません)

http://www.zdic.net/zd/zi2/ZdicE4ZdicB2Zdic86.htm
魚へんに魚の字、ありました。

ご紹介いただいたリンクの先から引用。

《龍龕》音仙。又音蘇。

読みは「セン」または「ソ」みたい。

中国語に自信のない文字裏太郎は、図書館で日本語の字典を片端から探したところ……、やはりというか何というか、結局「魚偏に魚」が載っていたのは「大漢和辞典」のみ。以下、引用(「魚魚」の部分は一文字)。

セン・ソ 義未詳。《龍龕手鑑》魚魚、音仙、又音蘇。

句読点の違いだけで、mandel59 さんの情報とまったく同じ。さすが mandel59 さん。


ひとつ前の項目を見ると、今度は魚魚が縦に並んだ字を発見。こちらは日本語の記載あり。

(1)ギヨ・ゴ(2)ゴ
(1)魚がつらなりゆく。(2)大きい魚。【解字】會意。二魚を合す。本義は魚のつらなつて行く貌。故に魚を二つ合してその義をあらはす。

驚くほど素直な意味。

関連リンク

(スーパードライで有名な)あのダブルクオートの古い用例

アサヒ・スーパードライのダブルクオートの向きが普通と違うのは、知ってる人は知っている事実。

→しろもじメモランダム「スーパードライのダブルクオート


で、先日、なんとなく印刷博物館のポスター「キンダーブックの80年」をながめてたら……、ありました!


拡大(写真が悪くてすみません)。右横書きですが、スーパードライです(意味不明)。

この企画展、今調べてみたら 2007 年 9〜10 月の開催でした。1 年以上も前です。どれだけネタを寝かせば気がすむのか文字裏太郎。次の更新はいつになることやら。