魚魚(とと)

「とと」は、魚を意味する幼児語です。

goo 辞書とと


幼児語と断言できるわけでもなくて、方言みたいに扱われることも多く、大人でも「魚魚(とと)」を使うことはあります。写真は飲み屋。


これはとある社員食堂のポスター。平仮名で「とと」。


このポスター、本文(?)は漢字で「魚魚(とと)」でした。

書籍でも「魚魚(とと)」がありました。
麻布「いわ田」魚魚(とと)物語


最後の写真は、「魚魚(とと)あわせ」という絵札遊び(カードゲーム)。魚偏(うおへん)に魚とかいて、「とと」と読ませています。無理に一文字にしなくても……、と思うのですが、そこがまた洒落てます(あ、いや、もしかしたら本当に「魚偏に魚」の字があるかもしれないので、今度図書館で調べてみます)。

魚魚あわせ

すくすく育つ「五」


当時小学五年生だった娘が買った雑誌に載ってたネタ。こういう妙な形の「五」が、雑誌の表紙として正々堂々(?)と使われていたとのことです。知りませんでした。文字の道、奥深し。

これが 85 年前の『小五』だ!
「五」の文字の 1 画目がないことに注目! これは、伸びるものを上から押さえ込もうとするフタを、取りのぞいた姿がデザインされているのだ。

思わずたじろいでしまいそうなほどに素朴な説明。

もしかして、この雑誌以外でも一般に使われていたのでしょうか?(活字が作られたりもした?) ちょっと気になってます。

はしご文化祭


一年前に仕事で通りかかった駅で見つけた文化祭のポスター。「はしご高」です。

まあ、「はしご高」くらいはそんなにめずらしくもないので、そのまま通り過ぎそうになったのだけど……。


よく見ると、「第五十一回」の「回」の字が、「はしご回」*1になってます。「これは面白いかも」と、撮るだけ撮ってすっかり忘れていました。


そして、一年後、もう一度同じ駅で、「はしご高」に再会。


「はしご回」も健在(?)です。なんだか嬉しい。

もしかすると、五十二年間ずっと「はしご高」で「はしご回」なのでしょうか。ずっとそういう文化祭なのでしょうか。ちょっと興味が湧いてきました。

来年が楽しみです。

*1:「はしご回」の読みかた募集中。私はとりあえず「はしごまわり」と読んでます

「シヤッター」と「シャッター」


新聞広告より、「三和シヤッター工業」。「和」や「工」も気になるけど、今日は「ヤ」。小書きになっていない、大きな「ヤ」。


同じく新聞広告より、「文化シヤッター」。大きな「ヤ」のシヤッター屋さんが多いみたい。


でも、広告本文は、「シャッター」と小さい「ャ」。

ウェブで検索してみると、シヤッター屋さんのサイト内でも色々と使い分けているみたいで興味深い。→Google 検索「シヤッター シャッター」


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上向きの「上」


上野警察署の作った看板。やや古めです。


上野の「上」の字の横画が、上を向いてます。昔は、バランスをとるために、やや上向きに作ることが多かったようですが、最近はほとんどみかけません。*1


「止」や「点」なども、上を向いています。一字一画を大切に文字を作ったのだろうなあ、と思いをはせてみたり。


こちらは「上菱のれん街」入口の看板。これはしっかり(?)上を向いています。これだけ上を向いてると安心です。

こういう古い字を見ていると「知らないうちに、最近の字は画一的になってしまってるんだなあ」と実感します。個人的には、ちょっと寂しく思います。*2


そんなわけで、ほぼ絶滅寸前の上向きの「上」やら「止」やらですが、実は、まだまだ多数生存している場所があります。

「止まれ」標識です。

最近設置されたものでも、結構な割合で上向きの「止」が見られます。どうして生き残ってるのかはわかりませんが、ともかく引き続き頑張って欲しいところです。

*1:最近の字は、実際には、見た目を水平にするために、ほんの少しだけ上向きに作ったりするようですが、それはそれとして。

*2:もちろん、画一化には多大なメリットがあるからこそ、そうなっているのですが、それはまた別の機会に。