「いたずら」と「いたづら」
(前置きが長いですが、ご容赦を……)
普通は「いたずら」と書きます。
ですが、ほんの五、六十年前までは(祖父母、曾祖父母の世代までは)「いたづら」と書いていました。いわゆる「歴史的仮名遣い(旧仮名)」で、普通の辞書を調べれば簡単にわかります→大辞林第二版「いたずら」。
「いたづら」が「いたずら」に変化した原因は、国が作った「現代仮名遣い」にあります(「国語施策情報システム」から「内閣告示・内閣訓令」、「現代仮名遣い」と進むことで参照できます)。
実は、この「現代仮名遣い」、強制力はないようです。以下、「現代仮名遣い」の「前書き」から引用。
- 2. この仮名遣いは,法令,公用文書,新聞,雑誌,放送など,一般の社会生活において,現代の国語を書き表すための仮名遣いのよりどころを示すものである。
- 3. この仮名遣いは,科学,技術,芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない。
「原則としては『現代仮名遣い』に従って欲しいけど、個人的に別の書きかたをしたい人は、それで構わないよ」、ということのようです。つまり、歴史的仮名遣いを使っても(「いたづら」を使っても)問題ないはずです。
そしてさらに、以下のような一文も見えます。
- 8. (略) 歴史的仮名遣いが,我が国の歴史や文化に深いかかわりをもつものとして,尊重されるべきことは言うまでもない。 (略)
歴史的仮名遣いは尊重されるべき、と明記されています。どうやら私たちは、堂々と「いたづら」と書いてもよさそうです。
……さて、ようやく本題です。
娘の復習用に買った問題集に、写真のような問題があったのですが……。ええと、その、もしかすると、「踏み絵」みたいなものでしょうか。それともただの「いたづら」?